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HIROのメディカル・コラム

アトピー皮膚炎の「痒みと痛み」

痒みを他人に説明するのは非常にむずかしいです。あるときはたまらなく痒く、時には痛く感じられます。。そういうった「痒み」をお話します。痒みを伝える神経は痛みを伝える神経と同じで、その信号の強度が弱いと痒く、強くなると痛くなるというのが、これまでの定説でした。しかし、10年ほど前に痒みの代表的な原因物質であるヒスタミンの痒みを伝える神経が発見されて、この神経が痛みを伝える神経とは異なる特徴を持つことが明らかになりました。痒みは痛みとは独立した感覚であると考えられるようになったのです。

しかし、さらに研究が進むと、代表的な発痛物質と考えられてきた物質の中には(例えば「ブラジキニン」や「カプサイシン」など)痒みの神経を活動させ、逆にヒスタミンも痛みの神経を活動させることが分かりました。

そこで痒みというと「アトピー性皮膚炎」。現在は、抗ヒスタミン薬の処方がよく行われていますが、効果が得られない患者は少なくないようです。これは抗ヒスタミン薬が効果を示すのは、ヒスタミンに対してだけであるため、アトピー性皮膚炎の炎症のように色々な原因物質が関係して発生する痒みにおいては効果が薄いのです。つまり原因物質のうちヒスタミンが占めるのはごく一部に過ぎないためなのです。

また、更なる理由として最近の研究では、アトピー患者は通常は痒く感じない刺激によって痒みが生じてしまう現象(たとえば、衣服の接触など、通常なら痒いと感じないような刺激を痒いと感じる)である「痒み過敏」という状態を起こしているといった、痒みの原因がヒスタミン以外にも様々なことが関係していることが分かってきました。

そのために、ステロイドなどで炎症を根本的に治療することの方が重要であるようです。また、アトピー性皮膚炎では、『痒み過敏』といった状態が加わるためにさらに複雑になっています。

このように痒みのメカニズムの解明はようやく緒に就いたばかり。複雑なメカニズムを考慮しての対処法が開発されていない現状では、従来通りの地道な抗炎症療法が痒みに対しても最善の手といえそうです。

でも、いったん始まった強い痒みは何とか抑えたいという方は多いでしょう。。こういう場合には痒みを伝える神経の活動を抑制する有効方法としては患部の適度な冷却です。

冷刺激は冷覚伝達神経の活動を通し、痒み神経の活動を即時に抑制することができます。さらに、末梢神経の閾値を上昇させる効果もある。これらの作用によって、痒み過敏状態においても痒みが生じにくくすることもできますが、一方では温度が低すぎれば、冷却後しばらくすると血管拡張が強まる可能性がありまので、そうなるとかえって痒みが増強するので注意が必要ですので、氷のような冷たいものではなく、冷蔵庫で冷やしたおしぼりを当てるなどとするほうがいいようです。

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